シーケンシャル・メッセージングとは?広告効果を高めるその役割とは?

デジタル施策の効果を高める方法をお探しでしょうか? ここでは特にコネクテッドメディアやDCO(ダイナミック・クリエイティブ・オプティマイゼーション)と組み合わせた際に効果を発揮する、シーケンシャル・メッセージングについてご説明します。

今日の消費者は、目を覚ましてスマホを手に取った瞬間から夜に電源をオフにするまで、常に大量の広告にさらされています。その数は毎日平均4,000~10,000本と推定されます。

これだけ膨大な数のメッセージがある中で、こちらがリーチしたいと考えている人々に広告に気付いて記憶してもらい、エンゲージしてもらうにはどうすればよいのでしょうか? その答えが、シーケンシャル・メッセージングなのです。

シーケンシャル・メッセージングとは?

「シーケンシャル・メッセージング」という用語には、なじみがなくても、その本質は理解しやすいかもしれません。シーケンシャル・メッセージング(あるいは「シーケンシャル広告」や「シーケンシャル・リターゲティング」)とは基本的に、潜在顧客に一連の広告を表示し、連続したメッセージやストーリーを伝えることを意味します。

シーケンシャル・メッセージングは、顧客ライフサイクル全体で機能する

すべての顧客は、次の3つのステージからなるライフサイクルを通じて、マーケティング施策と接触します。

・New…新規顧客にリーチし、ブランドやサービスを認識してもらう

・Convert…見込み顧客を醸成し、購入などのアクションを喚起する

・Grow…リピート購入、クロスセル、アップセルを通じて、顧客のLTV(生涯価値)を高める

シーケンシャル・メッセージングはこのマーケティング・ライフサイクル全体で機能し、ユーザーの現在のステージに合わせた関連性の高い広告を確実に届け、次のステージに進んでもらう上で役立ちます。そしてメッセージの関連性がより高く、カスタマイズされたものであるほど、顧客が認知しエンゲージメントが向上する可能性が高くなることが分かっています。

以下のコーヒーの例を見てみましょう。コーヒー愛飲家に向け、まずはプレミアムコーヒーのブレンドを紹介し、次にカフェで飲むようなコーヒーを自宅で淹れることを薦めます。初回注文時には割引を適用して購入意欲を高め、カートに入れたまま決済していない商品があれば知らせ、商品購入後にはコーヒー関連グッズのアップセルを促し、そこにはお得な割引などの情報も提供します。

Vittoria Coffee

シーケンシャル・メッセージングが、コネクテッドメディアに頼る理由

シーケンシャル・メッセージングシーが非常に強力な理由は、あらゆるマーケティングチャネルの潜在顧客にリーチできるからです。

たとえば、朝のうちに携帯電話に広告が配信されたり、出勤途中にデジタルOOH(DOOH)やコネクテッドTVの広告が目に入るかもしれません。ニュースサイトや職場のPCで広告に気付く可能性もあります。帰宅途中にポッドキャストで、オーディオ広告を聞くこともあるでしょう。夜にベッドの中で視聴するものをノートPCで探しているときに広告を見たり、就寝前に携帯電話でニュースをチェックする際にまた別の広告を目にすることもあるでしょう。

あるレポートによると、成功しているマーケティング担当者のコネクテッドメディア(オムニチャネル、マルチチャネル、クロスチャネルとしても知られます)の使用率は、そうでない人と比べて35倍も高いといいます。コネクテッドメディアを用いる利点は、主に5つ挙げられます。

  • 可視性:広告をさまざまなデバイスに表示すると、気付いてもらえる可能性が高くなります
  • ライフサイクル:コネクテッドメディアによって、顧客ライフサイクル全体を通じてリーチしやすくなります
  • 利便性:コネクテッドメディアでの広告は、顧客がいる場所に、顧客が好む端末やプラットフォームに表示することができます
  • 想起率:複数の広告チャネルを用いると広告の想起率が13%上昇することが、ある研究で明らかになっています
  • 一貫性:一連の広告がさまざまなチャネルで一貫して表示されることで、顧客が興味を失ったり忘れてしまうリスクを回避します

コネクテッドメディアを使用しない場合に、どのような機会を損失する可能性があるか、考えてみましょう。潜在顧客が、通勤中に退屈していたとします。関心のある製品・サービスの適切な広告を、前向きに受け止める気分の時にリーチする機会を逸していませんか?

そしてコネクテッドメディア全体でのキャンペーンでシーケンシャル・メッセージングを実施していないのであれば、顧客がいるライフサイクルのステージとは一致しない広告を配信しているのではないでしょうか? 共感を生まない広告や、まったくかみ合わない広告を配信することで、カスタマージャーニーを進めるチャンスも、購入の意思決定をしてもらうチャンスすらも逃していませんか?

DCOがシーケンシャル・メッセージングをさらに強力にする仕組み

高いパフォーマンスを実現するために、コネクテッドメディア全体でシーケンシャル・メッセージングと組み合わせる、重要な要素がもう一つあります。それは、ダイナミック・クリエイティブ・オプティマイゼーション(DCO)です。

DCOを活用すると、広告クリエイティブをリアルタイムに出し分けて、パフォーマンスを最適化することができます。エージェンシーはDCOキャンペーンのために、さまざまな広告コンポーネント(背景、メイン画像、テキスト、バリュー・プロポジション、CTAなど)を、デジタルアセット管理システムに用意します。クリエイティブには動画、アニメーション、ネイティブ・コンポーネント、インタラクティブ・エレメントなどを含めることができます。

そして、広告が表示されるユーザーの属性や、彼らが顧客ライフサイクルのどの位置にいるかに合わせ、関連性のあるエレメント(要素)が配信時にリアルタイムに組み合わされるのです。DCOキャンペーンの広告のバリエーションは数万種類に及びます。ユーザーは関連性が非常に高い広告を目にすることになるので、注目や関心を集めること(そしてエンゲージメントを高めること)につながる可能性も高くなるのです。

DCOをシーケンシャル・メッセージングやコネクテッドメディアと組み合わせると、高度にパーソナライズされた広告キャンペーンが実現します。そして理想とする顧客と適切なタイミングで、適切な端末やプラットフォームを介して一日中つながることができるのです。

キャンペーンへの同意は常に取得してください

広告キャンペーンは、常にユーザーからの同意を完全に取得し、規則に準拠していなくてはなりません。これはあらゆる広告キャンペーンに対していえることですが、特にシーケンシャル・メッセージングにおいては重要です。

ここ数年でCookieに対する風当たりが強まり、広告主企業は適切なユーザーにリーチすること、そして見込み顧客がどこから来たのかを正確に特定することが非常に難しくなりました。

そのため、Cookieやファーストパーティデータに依存せずとも望む成果を出すことができる、規制に完全準拠した(たとえばIABのゴールドスタンダード2.0などを取得済の)企業と協業することが重要なのです。

私たちは、ユーザーの同意を管理する「consenTag」、そしてCookieを使わずとも高い精度でのターゲティングとアトリビューションを可能にする「ActiveID」など、Cookieに代わる独自

の技術を開発しました。その結果、現在はSafariやFirefoxなどのブラウザで、Cookieレスでの配信を実現しています。

当社の技術では、閲覧履歴追跡のための代替的な識別子を作る必要も、使う必要もありません。当社のウェブプロダクトは、業界最高水準の成果をもたらしつつも個人の追跡を防止するプライバシー保護APIを活用しています。(詳しく知りたい方はぜひお気軽にお問い合わせください

当社はIAB(英国インタラクティブ広告協議会)のゴールドスタンダードを早い段階で取得し、倫理的で安全な広告に積極的に携わってきました。そして今後もプライバシー保護や安全性、コンプライアンスの最前線に立ち続けてまいります。

シーケンシャル・メッセージングを活用していますか?

シーケンシャル・メッセージングはプログラマティック広告キャンペーンのパフォーマンスを高めることが実証されており、特にコネクテッドメ

ディアやDCOと組み合わせた際に効果を発揮します。そのため、まだご活用いただいていないのであれば、チャンスを逃している可能性があります。

シーケンシャル・メッセージングがどのように役立つか詳しく知りたい、そしてキャンペーンの成功事例をご覧になりたいという方は、ぜひお問い合わせください。