効果的なDCO広告を作成するには~専門家が徹底解説~

ダイナミック・クリエイティブ・オプティマイゼーション(DCO)は、プログラマティック広告キャンペーンの未来を象徴する仕組みといえます。高い効果を生み出すDCO広告を作成するために考慮することを、明らかにしておきましょう。

こちらのサイトでもご説明したように、ダイナミック・クリエイティブ・オプティマイゼーション(DCO)の人気がますます高まっているのには理由があります。DCOのキャンペーンでは数万種類に及ぶ広告のバリエーションを数秒間で配信できるため、見る人にとって関連性のあるメッセージを適確なタイミングで届け、その結果としてエンゲージメントやコンバージョンの可能性を高めることができるのです。

ただし、DCOキャンペーンの作成方法が分からない、あるいは適切なアセット(素材)が無いといった理由から、せっかくのチャンスを逃している企業が非常に多いのが現状です。そこでDCOを専門とする当社として、基本的なポイントをまとめました。 

DCOキャンペーンのブリーフィングのために検討すべきこと、用意すべきアセット、そして技術面で把握しておくべき点について、当社のテクニカル&クリエイティブディレクターであるアダム・アスプランドが解説します。

DCOキャンペーンの成功に必要な3つのこと

DCOキャンペーンを成功させるために重要なものは、クリエイティブだけではありません。DCOが機能するためには、コアとなる3本の柱が必要です。

  1. テクノロジー(良い結果につながるタグ)
  2. オーディエンス(タグから得られるインサイト)
  3. クリエイティブ(レイアウトと、クリエイティブを支える技術)

したがって、DCOを依頼する代理店を選定する前に、まずはこれらの3本柱をきちんと備えた代理店なのかを確認しましょう。(DCOのサポートについてご不明な点はこちらからお問い合わせください。DCOを専門とするエキスパートがお答えします)

DCOのブリーフィングを正しく行うには

DCOをサポートする代理店を選定したら、ブリーフィングの準備をしましょう。

御社のオーディエンスのことを一番よく理解しているのは、御社です。そのため、オーディエンスが御社のどのような点を好きなのか、理解しておく必要があります。また、既存のオーディエンスと似たような行動をとる新規のオーディエンスに、メッセージを届けることも考えられるでしょう。ここがまず出発点となります。

新しいメッセージ(新シーズン、新規路線、プロモーション情報など)に、オーディエンスと関連性のあるコンテンツを含めることは、非常に理にかなっています。作成するコンテンツはターゲットにフォーカスし過ぎずに、しかも魅力的で興味を引くものである必要があります。

ダイナミック・クリエイティブのどのようなコンテンツにも、一つあるいは複数の伝えたいコアメッセージがあるはずです(これを明確にするには、ブリーフィング資料が役立ちます)。スペースやフレームに限りがある中で伝えるには、コアメッセージをシンプルなストーリーへと変換することがポイントとなります。

これは、御社がオーディエンスに何を伝えたいか、ということだけではありません。オーディエンスの言葉(御社の言葉ではなく)を使い、オーディエンスに響く方法で伝えるということでもあります。ただし、御社のトーン・オブ・ボイス(語り口)は常に保つ必要があります。

ライフサイクル・マーケティング・キャンペーンのブリーフィング資料で網羅すべき項目を、以下に挙げました。

  • オーディエンスは誰か?
  • ウェブサイトのジャーニーにおいて重要なステージは?
  • 広告を見たオーディエンスに、それぞれのライフサイクル・ステージで何をしてもらいたいのか?
  • オーディエンスに何を考えてもらいたいのか?
  • オーディエンスに何を感じてもらいたいのか?
  • クリエイティブのフレームワークにおいて、ダイナミック(動的)にしたい要素は何か?
  • 今後のキャンペーンでも機能するテンプレートになっているか?
  • ディスプレイ広告のクリエイティブで、他にどのようなものが好きか? これまでに見た中で好きな(あるいは嫌いな)動的要素はあったか?

一般的なDCOの広告サイズ

ブリーフィングでは、広告のサイズについて検討する必要があります。主なディスプレイ広告のサイズ(IABで一般的なサイズと、最も多く配信されているサイズ)は、次の通りです。

  • 160×600
  • 300×250
  • 300×600
  • 320×50
  • 728×90
  • 970×250

ダイナミック・クリエイティブを作成するために必要なアセット

ダイナミック・クリエイティブの作成には、以下のようなアセットが必要です。

  • フォント
  • ロゴ
  • ブランド・ガイドライン
  • 正しいサイズのJPG、PNG、PSD
  • フィード(.csv、.xls、Google Sheets、xml、Shopify API、その他の形式もご利用いただけることがあります)

DCOで把握しておくべき仕様

DCO広告の作成に取り掛かる前に、準拠すべき仕様について把握しておきましょう。

動画広告の一般的な仕様は、以下の通りです。

  • アスペクト比: 16:9
  • 解像度: 1920×1080 (1080p)
  • ファイル形式: .mp4
  • ファイルサイズ: 最大1.5MBのディスプレイ広告のインバナー動画(ディスプレイバナーの最大サイズは2.2MB)から、最大10MBのCTV向けプレロールまで、種類によって異なります。

その他、アニメーションの基本的な仕様:

  • GIF形式
  • 解像度: 選択したテンプレートによって異なります。
  • ファイル形式: .gif
  • ファイルサイズ: 動画よりも融通が利きますが、ディスプレイバナーの最大サイズは2.2MBです。

動画の長さ:

  • 15/30秒(インバナー動画)

DCO広告を作成するための一般的な手順

DCO広告の作成における、一般的な手順は以下の通りです。

  1. クリムタンがモックアップを作成し、デザインのフィードバックをいただきます。
  1. クリムタンが修正について、すべてのクリエイティブ関係者(エージェンシー、クライアント、クリエイティブエージェンシー)との調整を手配します。
  1. クリムタンがクライアントと、KPI、ターゲティング、目標やその達成方法について議論し、その内容をクリエイティブのライフサイクルに反映させます。
  1. 関係者間で共有するためのGoogle Sheetsをクリムタンが作成します。
  1. アニメーションの種類、フレーム数、クリエイティブの機能(たとえば商品データをダイナミック・クリエイティブのフレームに活用することなど)について議論します。
  1. クリムタンがプレビュー用のリンクを配信します。(1つのマスターユニットのみ配信することも、全クリエイティブサイズについて配信することもあります)
  1. フィードバックを受け取って修正し、クリエイティブの承認を得ます。
  1. 画像やテキストの更新が今後発生する場合に備え、ワイヤーフレームにクリエイティブスペックを記したものをクリムタンから提供いたします。(キャンペーンの遅延を最小限に抑え、素材の交換を容易にするため。なお、テキストの更新にはGoogleスプレッドシートを用います)
  2. すべて承認されたら、Q&A、IASタグのラッピング(設定)、メディアバイイングなど、キャンペーン実行に必要なやりとりをクリムタンが行います。

配信するアセットの種類

プログラマティック広告は、マーケティングにおけるメディアプランの後付けだと誤解されがちです。これは多くの場合、リーチがブリーフィングで設定した数値に到達しないことが原因で、そのためにディスプレイ広告のアセットがソーシャルメディア用のサイズや、ダイナミック広告を生成できない形式(JPGやHTML5バナーなど)で用意されてしまうのです。

このような誤解を避けるため、DCO広告キャンペーンで必要なアセットの種類や、考慮すべきことを以下にまとめました。

  • メインフレーム(通常は最初に表示されるフレーム)に使われるライフスタイル・イメージは、クライアントのウェブサイトのメッセージを反映したものか
  • 画像は、クリエイティブのさまざまな向きに対応できるか
  • KPIとライフサイクル・アプローチを満たすストーリーを、このクリエイティブによって伝えられるか
  • クリエイティブとレイアウトが、どのようなプロモーションやメッセージにも対応できるものになっているか(CTAテキストなどの要素は、内容に合わせて変更できます)
  • 他の形式のメディアではメッセージを伝えられない、何か具体的な問題や課題があるのか? もしそうならば、プログラマティック・メディア(ディスプレイ、インバナー動画など)で解決できるのか? これらの課題を抽出し、その解決策を考え出すことが重要です。
  • どこの誰に向けた、何のためのプログラマティック・コンテンツなのか(オーディエンス、オープンエクスチェンジ/特定のサイト、デスクトップ/モバイル)

DCOキャンペーンを作成する準備が整ったら

DCOの持つ可能性に興味を持ち、次のステップについてご相談したいとお考えであれば、ぜひ私たちまでご連絡ください。冒頭でもお伝えしたように、DCOキャンペーンの成功に重要なものは、クリエイティブだけではありません。テクノロジー(良い結果につながるタグ)、オーディエンス(タグから得られるインサイト)、そしてクリエイティブ(レイアウトと、クリエイティブを支える技術)の、コアとなる3本の柱に左右されるのです。

クリムタンはこれら3本の柱のエキスパートです。これまでに手掛けてきたキャンペーンの数々が、その高い専門性を裏打ちしています。クライアントの皆さまのために刺激的な機会を創出するべく、私たちは絶えず革新を続け、技術の限界を押し広げてまいります。

クリムタンのDCOの専門知識によって、御社の広告キャンペーンにどのような成果を見込むことができるか、専門家から詳しくご説明します。ぜひこちらからお問い合わせください。