キャンペーンの効果測定で、マーケティング担当者がミスしがちな4点

マーケティング・キャンペーンで、測定する指標を間違っていませんか? マーケティング担当者がおかしがちな4つの間違いと、それらがなぜ危険なのかを解説します。

マーケティングを成功させるには、2つの重要な要素があります。1つめは、的確な人々に的確なタイミングで見られてアピールできる、インパクトのあるマーケティングを計画し作成することです。そして2つ目は、今後のROI最大化に活用できるよう、マーケティング施策を正確に測定することです。

当ページでは後者、つまりマーケティング施策の測定についてご説明します。そして、マーケティング施策の測定において広告主企業がミスしやすい4点について、具体的に見ていきます。

では、どのようなミスを避けるべきなのでしょうか?

(1)結果のトラッキングや振り返りをしない

まず最初は、マーケティング施策のROIを測定しないというミスです。トラッキングの設定をしていない、トラッキング能力が不十分もしくは制限されている、あるいはトラッキングはしていても振り返りをしておらず、今後の戦略や予算配分に活用できないといった例が挙げられます。

それでは、トラッキングや振り返りをするべき指標とは何なのでしょうか? これはマーケティング活動の目標によって、ある程度異なってきます。新規顧客率の向上を目指しているのでしょうか? あるいは、既存の購入者をリターゲティングすることで、顧客の生涯価値(LTV)を高めたいのでしょうか?

このことを考慮すると、顧客のライフサイクル全体を通して結果をトラッキングできることが重要です。デジタル広告キャンペーンを実施している場合には、独自のテクノロジーを有した単一のパートナー企業と提携することで、はるかに簡単に実現できます。

これによって、データを接続しようとした際に発生する欠落の量を減らすことはもちろん、キャンペーンの透明性も大幅に向上します。

その理由は、マーケティング・ライフサイクルの異なる部分を複数のパートナーが担うと、結果について各社が功績を主張したがり、アトリビューションの結果が異なってしまうことで、何が正しいのか混乱するためです。

ライフサイクル全体を通じた単一のパートナー企業には、いかなるメディアやアクティビティに対しても成果を偏向させようという動機づけがありません。実際の成果を、より正確で透明性の高いレポートを提供できます。

つまり未来のマーケティング活動を、適切なデータに基づいて計画できるのです。

(2)誤った指標をトラッキングしている

2つ目は、誤った指標をトラッキングするというミスです。上述したように、収集して分析するデータはキャンペーンの目標と関連したものである必要があります。

ソーシャルメディアのフォロワー数、ページビュー、登録者数など、見栄えはするものの役に立たない「バニティ・メトリックス(虚栄の指標)」に注目する企業をよく見かけます。しかし、これらの指標が事業の目標に近づくためにどのように役立つのか、あるいは未来のキャンペーンのベースとなる有用なデータを提供するものなのか、理解していないことがほとんどです。

もちろん、短期的にはソーシャルメディアのフォロワー数やページ来訪者数が増えるのは、気分が良いものでしょう。しかし間違った指標をトラッキングすると、マーケティング予算を誤った活動に費やしてしまい、利益を圧迫するリスクがあります。

そしてこれが長期的には悪循環を引き起こし、目標達成が遠のき、売上が落ち込むことで、事態を好転させるためのマーケティング費がますます減少してしまう可能性もあるのです。

マーケティング活動の目標を明確にし、そのために必要な指標を的確にトラッキングし分析を行うことは、以上の理由から非常に重要なのです。

(3)CLVやCPAを理解していない

重要な指標といえば、広告主がマーケティングの成果を測定する際に、クリック単価(CPC)など単一的な指標に注目するということが多々見受けられます。

CPCのみをトラッキングすることの問題は、全体像の一部分しか把握できないことにあります。たしかに、CPCのコスパが高い広告はランディングページへのトラフィックを増やします。しかし、そのトラフィックの中で実際にコンバージョンに至っているのは、はたしてどの程度あるのでしょうか?

たとえば、ある広告はCPCのパフォーマンスが優れ、他の広告よりもランディングページへのトラフィックを増やしたとします。しかし広告をクリックしてくれた人の中で、実際に購入や入会申し込みといったアクションを起こす人は、ほとんどいません。

一方で、別の広告はCPCが目立って良くはないものの、広告をクリックする人が実際にアクションを起こす割合が高かったとします。すると、たとえCPCが高くても、全体的には顧客獲得のコストをはるかに抑えることができるのです。

CPCを指標とした場合には、前者の広告の方が成功しているとみなされ、マーケティング予算が配分される可能性は高くなるでしょう。しかし顧客獲得単価(CPA)を指標とすれば、後者の広告の方がはるかに成功しており、広告予算を重点的に配分するべきということになります。

また、マーケティング施策の成果を評価する際には、継続期間中に顧客がもたらす利益の平均額である「顧客生涯価値(LTV)」を把握することも大切です。

たとえば、CPAが異なる以下のような2つのキャンペーンがあったとします。

・広告キャンペーンAのCPA:1,500円

・広告キャンペーンBのCPA:2,500円

この情報に基づけば、Aのキャンペーンの方が成功したと考えるでしょう。しかし時が経つとともに、2つのキャンペーンでは獲得する顧客のタイプもCLVも異なることに気付きます。

・広告キャンペーンAのCLV:5,500円

・広告キャンペーンBのCLV:10,500円

CLVを考慮すると、Bのキャンペーンの方が成功を収めています。これがCPAだけでは全体像を把握できないこと、そして成果をトラッキングする際にはCLVを理解すべきであることの理由です。

(4)増分ROIを測定しない

キャンペーンの成果をROI(投資利益率)で評価することは、マーケティングではごく一般的です。ここで多く用いられるのがCPAやCPCであることは、上述した通りです。しかしこの手法では、広告が無くとも増えたであろう売上については測定しておらず、得られる結論は無意味と言わざるを得ません。

本当に測定する必要があるのは、増分ROIです。これはディスプレイ広告によって実際に生み出された価値を算出するもの、つまり広告によってのみ得られた結果です。

純増分を把握するには、以下の2つのグループに分けてスプリットテストを行う必要があります。

・広告を見たグループ

・広告を見ていないグループ

このようにして増分ROIをトラッキングすると、マーケティングによってどれだけの収益を生み出せたのかを把握することができます。

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